「藤井聡太2冠から学ぶ」
プロ棋士になるには?

 最近、話題の藤井聡太は2016年史上最年少(14歳2カ月)でプロ入りをしたことで有名です。中学生棋士としては5人目です。

 漫画「3月のライオン」の主人公桐山零も史上5人目となる中学生でのプロ入りを果たした棋士です。

 すごい共通点ですね!

 でも、そもそもプロ棋士ってどうやったらなれるのでしょうか。今回はプロ棋士になるための流れについてお話したいと思います。
 

藤井聡太2冠の歩み

研修会に入会
数々の小学生の大会で優勝
2010年(小学1年生)
奨励会に入会
奨励会入会後も記録的なペースで昇段を繰り返す
2012年(小学4年生)
奨励会初段に昇段
史上最年少で奨励会初段に
2014年(小学6年生)
プロ入り(四段に昇段)
最年少棋士記録を62年ぶりに更新
2016年(中学2年生)

言うまでもないですが、この経歴を見ると藤井聡太の天才ぶりが改めて確認できますね。

今回は、ここであげた研修会、②奨励会、③奨励会初段・プロ入り(4段に昇段)

の4つのポイントごとに説明します。

プロになるまでのスピードに関しては藤井聡太は特別なので参考になりにくいと思いますが、
この4つのポイントに関してはほとんどのプロ棋士が辿ってきた道です。

研修会への入会

研修会とは?

 研修会は将棋のレベル向上を図るべく若者(20歳以下)、女性(25歳以下)が通う場所です。

 地元の将棋教室などで将棋の才能を発揮した者が、次のステップとして門をたたく場所です。

 毎月、第2・第4日曜日に例会があり、各人4局を指し、その結果によってクラス分けが発生します。

研修会に入るには?

 研修会に入るためには試験が必要です。

 先ほどの例会に2回参加し、計8局指し、その結果で入会するクラスが決定します。

 クラスはA~Fまであり、Fが将棋ウォーズで2段という話です。(近くの将棋会館の先生に伺いました)

クラスを昇格するには

 研修会のクラスを昇給するのにはクラスごとの条件があります。

 A・Bクラス:8連勝(1例)
 C・D・Eクラス:6連勝(1例)
 F1クラス:5連勝(1例)
 F2クラス:3勝3敗(1例)

奨励会への入会

奨励会とは?

 奨励会は研修会などで力をつけてきたプロ志望の者たちが本格的にプロになれるか否かを審査される場所です。

 場所は関東と関西に1つずつあり、計200名の奨励会員が在籍しています。

 級・段としては6級から始まり3段まであります。3段以上はプロとなります。

 ちなみに、6級とありますが、これをあなどってはいけません。

 アマチュアでいうと4段レベルです。

奨励会に入るには?

①級位者入会試験

プロ棋士からの推薦を経て、1次試験・2次試験を受ける。
年齢によって受ける級も異なる。

 1次試験→詰将棋などの筆記+受験者同士の対局で3~4以上勝利
 2次試験→現役奨励会員と3局指し、1勝で合格

②研修会から編入

先ほどの研修会から編入することができます。

 1.15歳以下でA2に到達
 2.18歳以下でSクラス(Aの更に上)に到達

 どちらも6級での入会です。

③初段受験

22歳以下で、アマチュアの各種大会で優勝or準優勝した場合に初段受験の権利が与えられます。

④三段リーグ編入

アマチュア6棋戦の優勝者に3段受験の権利が与えれれます。

奨励会初段・プロ入り(4段に昇段)

年齢制限ルール

奨励会の中で最も将棋界の厳しさを物語るであろうものが、年齢制限です。

・21歳までに初段になれなかった場合
・26歳までに3段リーグで4段になれなかった場合

本当に厳しい世界です。

年齢制限があるがゆえに、初段が一つ目のハードルになるのです。

今までの人生を将棋にかけていた人がいきなり、26歳で普通の世界に飛び立つのです。

それだけ、プロ棋士は狭き門をくぐり抜けてきた猛者たちなのです。

昇給規定

研修会と同様、奨励会にも昇給規定があります。

初段~三段:8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗

6級~1級:6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗

プロになるには

3段から4段(プロ)への昇給は一味違います。

3段~4段:3段リーグ(年2回)で1位、2位になること

リーグ戦は年2回あり、人数は30名。

その中で、プロになれるのはたった4名

言うまでもなく、狭き門です。

年齢制限というプレッシャーに耐えて、3段リーグという勝利に執着した猛者たちの集まりで勝ち続けた者のみが将棋のプロの世界へと足を踏み入れることができるのです。

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