対「原始棒銀」完全攻略
(振り飛車編)
居飛車の代表戦法である原始棒銀戦法。飛車先を歩と銀で進めて、相手の角頭を狙いにいきます。
相手の原始棒銀戦法で一機に自陣左サイドが崩壊した経験がある方は多いのではないでしょうか。
原始棒銀の攻撃力は非常に高く、受け方を知らないと命取りになります。
原始棒銀戦法の相手は急戦で来ることも多く、自陣が囲いの準備をする前に攻められると、そのまま詰まされてしまうケースもあります。
今回は原始棒銀対策の内、振り飛車編をお届けします。
特に今回は四間飛車の頭である6筋の歩をついて攻める方法で原始棒銀を攻略してきます。
■後手が角道を開けた場合
①相手が角交換をしかけてきた
②相手が5二金寄る
③相手が右四間飛車
■後手が角道を開けなかった場合
④5五角で相手の飛車を狙う
の4パターンが想定されます。
それぞれのパターンについて攻略法を学習しましょう。
振り飛車の中でも四間飛車を使って、原始棒銀を逆襲していきたいと思います。
この記事で振り飛車(四間飛車)使いの方は棒銀対策を完全にマスターしましょう!
原始棒銀、四間飛車について学びたい方は、ボタンをクリックしてください。
■後手が角筋を開けた場合
後手原始棒銀が角交換をしてきた場合(先手が自分)
失敗例:角交換を銀で取るのはダメ(先手が自分)
図1
ポイント
1.原始棒銀相手と角交換をする場合、同銀(15手目)は危険です。相手の角成を防ぐことができないです。
成功例①-1:後手原始棒銀が8八に角を貼ってきた場合(先手が自分)
図2
ポイント
1.棒銀相手に角交換した後は7七桂(15手目)と取るのが正解です。
2.後手が8八角(16手目)としてきたら、5五角(17手目)とあがりましょう。
3.後手が9九角成(22手目)としてきた場合は2二角成(23手目)とぶった切ってしまいましょう。相手が棒銀が故に、8四飛(25手目)と銀を取ることができ、角と銀2枚の交換で先手有利です。
成功例①-2:①ー1の22手目を3三銀としてきた場合(先手が自分)
図3
ポイント
1.棒銀相手に角交換した後は7七桂(15手目)と取るのが正解です。
2.後手が8八角(16手目)としてきたら、5五角(17手目)とあがりましょう。
3.後手が3三銀(22手目)としてきた場合は6一飛車成(23手目)とぶった切ってしまいましょう。次に8九金(25手目)と貼ると後手の角を取ることができます。
4.後手が6二香(26手目)としてきても、歩を貼れば問題なしです。後手が5二玉(30手目)と避けたら、7四角が良い手です。一見、角のタダ取りですが、次に6三歩成(33手目)が玉と飛車の両取りになっています。
後手原始棒銀が5二金としてきた場合(先手が自分)
成功例②-1:後手が20手目で角交換を仕掛けてきた場合(先手が自分)
図4
ポイント
1.後手が角交換をせず、5二金(14手目)としてきた場合は6四歩(15手目)とつきましょう。そのまま、飛車を3四地点まで運びます。
2.後手が7七角(20手目)とここで角交換を仕掛けた後、後手8八角(22手目)と貼ってきたら、先手6六角(23手目)が良い手です。1一香と8四銀の両取りになっています。
成功例②-2:後手が20手目で3二金と3筋を守ってきた場合(先手が自分)
図5
ポイント
1.後手が角交換をせず、5二金(14手目)としてきた場合は6四歩(15手目)とつきましょう。そのまま、飛車を3四地点まで運びます。
2.後手が3二金(20手目)と3筋を守ってきたら、2二角成(21手目)とぶった切ってしまいましょう。この時後手は馬を金でとっても、銀でとっても片方は飛車で取れれてしまいます。
3.後手が3三銀(22手目)としてきた場合は6一飛車成(23手目)とぶった切ってしまいましょう。次に8九金(25手目)と貼ると後手の角を取ることができます。
4.後手が6二香(26手目)としてきても、歩を貼れば問題なしです。後手が5二玉(30手目)と避けたら、7四角が良い手です。一見、角のタダ取りですが、次に6三歩成(33手目)が玉と飛車の両取りになっています。
後手原始棒銀が右四間飛車できた場合(先手が自分)
成功例③-1:右四間飛車には玉を囲え(先手が自分)
図6
ポイント
1.後手が6二飛(14手目)と四間飛車をとってきたら、先手は4筋の攻めは続かないので、一度3八玉(15手目)と玉を逃がしましょう。
2.後手が角交換を仕掛けてきても7七桂で取る。繰り返しにはなりますが、原始棒銀は7七桂と覚えましょう!
3.後手が5七角(20手目)と貼ってきても、上手く対処すれば問題ありません。
■後手が角筋を開けない場合
成功例④-①:後手が18手目で先手の角筋を歩で防いだ場合(先手が自分)
図7
ポイント
1.後手が角筋を開けない場合も6筋の歩をついていきましょう。
2.後手7五銀(16手目)ときたら、5五角(17手目)と飛車を狙うのが筋です。
3.後手がこれを7三歩(18手目)と防いできたら、7四地点にひたすらに歩を貼り続けましょう。
成功例④-②:後手が18手目で飛車を逃がした場合(先手が自分)
図8
ポイント
1.後手が角筋を開けない場合も6筋の歩をついていきましょう。
2.後手7五銀(16手目)ときたら、5五角(17手目)と飛車を狙うのが筋です。
3.後手がこれを9二飛車(18手目)と飛車を避けたら、6筋を攻めつつ、銀を取れたら8三銀(29手目)相手の飛車を取りに行きましょう。