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入玉時に勝敗を決める方法
将棋で玉駒は最初自陣の中央下段にいますが、対局が進むにつれて玉駒の位置も動きます。
基本的には玉駒は左右の下段周辺で他駒に囲われている状態が多いかと思いますが、相手に攻められて玉駒だけで逃げることもたまに発生します。
玉駒単体で逃げると、途中で詰まされてしまう場合も多いと思うのですが、そこをギリギリ逃げ切って相手陣地にたどり着いた時、それを「入玉」といいます。
図1
図1のように、自陣の玉が相手の陣地(1段~3段の内側)に入った時、入玉となります。
こうなってしまうと、自分は成り駒をどんどん作り、相手に詰まされる可能性はかなり低くなります。
図2
自分が入玉に成功し、相手は自分を詰ますことができないとわかると、相手も入玉を目指します。相手の入玉も成功し、両者入玉の状態が図2です。
もうここまでくると、勝負の決着決まらないのでは?
と思う方もいるのではないでしょうか。
その通りです。この状況からどちらかが詰むまで対局を続けると日が暮れてしまいます。
そこで、決着をつける方法が「点数による決着」です。
点数を決める方法には大きく二つあります。・持将棋・入玉宣言法です。
これは、いわゆる両者の合意に基づく引き分けを意味するものです。
両者ともに入玉していて、これ以上対局を続けても決着がつかないと判断した場合、両者の点数が24点以上にて引き分けとします。
持将棋における点数とは?
図3
図3を見ると、両者入玉しており、決着もつきそうにない状況です。
点数を見ると先手:大駒2枚(10点)+その他の駒18枚(18点)→28点
後手:大駒2枚(10点)+その他の駒16枚(15点)→26点
両者とも24点を超えていますね。
これで両者が合意すると持将棋(引き分け)となります。
入玉時の点数計算方法の2つ目が入玉宣言法です。
両者入玉したからといって、絶対に引き分けとは限りません。
自分の方が優勢であると思う場合もあります。
そのような時に、自分の手番で宣言して勝利することを入玉宣言法と言います。
持将棋と比べて、入玉宣言法の条件は少し複雑です。
宣言発動の条件
宣言サイドに関して
※宣言を発動したものの、宣言を一つでも満たしていない場合は宣言側の負けとなります。
入玉宣言法における点数とは?
図4
図4を見ると、自陣は大駒が3枚もあり、先手は入玉宣言法に基づき勝利宣言をします。
全ての条件をクリアしているため、入玉宣言法に基づき先手の勝利となります。万一、上記の条件が一つでも満たせていなかった場合は先手の負けとなります。
入玉時の勝敗決着には持将棋と入玉宣言法がある。
◆持将棋・両者の合意がいる・両者とも入玉している・両者とも点数が24点以上→ 引き分け
◆入玉宣言法・入玉している・王手がかかっていない・王以外の駒が敵陣3段目以内に10枚以上ある・先手は27点以上、後手なら26点以上。→ 宣言側の勝利
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